2020-10-07

森博嗣のWシリーズの1作目。これまでのシリーズにも出てきたウォーカロンが活躍?する様子。

あらすじ

今作の主人公であるハギリは、ウォーカロンと人間を識別する技術の研究者。 ある日、ウグイと名乗る女性が現れ、ハギリに危険が迫っていることを告げる。 彼女は国家に属する情報局員。銃の扱いなど戦闘に慣れており、無口。

いくつかの襲撃に会うものの、ウグイ共に何を逃れるハギリ。 ハギリを匿うため、ウグイはとある施設にハギリを案内する。そこで、ハギリは研究を続行することとなる。

ウォーカロン

今作に登場するウォーカロンは完全に生物として扱われる。百年シリーズのウォーカロンは機械であった。 一方、今作のウォーカロンは、人口細胞を元に、人口子宮で育てられており生物となっている。 これまでのウォーカロンと比べると随分と技術が進歩した世界となっている。 生まれたウォーカロンは、幼少期にウォーカロン専用の教育を受け、その後は人間とほぼ同様に生活する。 ウォーカロンが数多く作られる一方で、人間の数は随分と減り、人間とウォーカロンが共存している世界が本作の舞台。

また、人間も人口細胞の技術によって数百歳まで生き延びることができるようになっている。 一部の部族を除き、ほとんどの人はこの人口細胞を取り入れている。 しかし、その代償として子供が産まれない体となっていた。 そのため、人間の数は少しづつ減っている。なぜ、子供が産まれなくなったのか? 人口細胞が人間の進化にどう影響しているのか?これらの謎がこの後のシリーズで明らかになっていくのだろう。

ハギリを襲ったのは、ウォーカロンと人間を識別されると困る人達のはずだが、 それがウォーカロンか、ウォーカロンを製造するメーカによるものなのか明らかになっておらず、その目的も不明である。 この謎も本シリーズの1つのテーマとなりそうである。

伏線など

ハギリはウォーカロンと人間を識別する研究を行っているため、ウォーカロンは徐々に人間に近づき、人間は生殖能力を失いそれぞれの境界線が徐々に曖昧になっていることに考えを巡らせることになる。

そんな中、真賀田四季らしき人物がハギリに接触。それらしきヒントを残す。 このシリーズにも登場した真賀田四季博士、今後どのように物語に関わってくるのか楽しみです。

さらに、ハギリの研究の被験者として、現れた少女の名前がミチル。 これも、本シリーズとこれまでのシリーズを繋ぐ鍵となりそうです。

また、赤い魔法、黒い魔法というワードが登場。 ウォーカロンにこの言葉を囁くと、何らかの反応を示す様子であったが、今作では謎のまま。 次作が、魔法の色を知ってるか?というタイトルということで、今後明らかになっていきそうです。

まとめ

これまでうっすら出てきて謎の多かったウォーカロンですが、このシリーズで明らかになりそうです。 ハギリとウグイのコンビもこれまでにないキャラクターで次作も楽しみです。

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