2023-06-02

あらすじ

主人公で画家のヘンは、夫のロイドとともにボストン郊外へと引っ越した。 近所のブロック・パーティで隣人のマシューとマイラ夫婦と仲良くなり、二人の家に招かれる事となった。 夕食の際、ヘンはマシューの家でトロフィーを見かける。 ヘンの記憶では、そのトロフィーはとある殺人事件で現場から持ち出されたものであった。 ヘンはマシューを殺人事件の関係者だと怪しむが…

キャラクター

ヘン: 主人公 ロイド: ヘンの夫 マシュー : 隣人 マイラ: マシューの妻

謎解き

ヘン視点で事件の様子が読者に提示されるが、そのヘンが少しおかしいのでそれが正しいのか?というのが楽しめるポイントかと思う。 一方、隣人でヘンにとっての容疑者であるマシュー視点でもストーリーは進むが、ヘン視点もどうやら歪で おかしいのはどちらなのかといった謎解きが楽しめた

ヘンは過去に精神的な病気を患っており、同時期にとある殺人事件に入れ込み、独自に捜査をしていた。 その事件の証拠であるトロフィーが隣人の家にあったことで、ヘンは再度その事件に入れ込むことになる。 夫のロイドはヘンの病気が再発しないかの心配であったり、ヘンの見間違いだとして相手にしない。 また、警察にトロフィーの件を相談するのだが、ヘンの病気のために自分が見えなくなり誤った判断をした過去もあり、 警察は事務的な対応で終わってしまう。

そのため1人で事件を調査することになるのだが、読者目線でもヘンが見ている景色が間違っているのでは?と錯覚してしまう。

一方、隣人でヘンにとっての容疑者であるマシューも平静を装っているが影を感じる印象。 おかしいのはどちらなのか

ストーリー構成

時系列通りに進む。基本的にヘン視点だが、終盤になるに連れて様々な視点となる。

ハイライト

マシューの動向を調査するために、ヘン1人でマシューを追跡するシーンはスリルがあった。 素人探偵の事件の調査ということで、基本的にはハラハラの連続となる。 加えてヘンの精神状態もあり、突拍子もない行動に出るのではないかとドキドキする。

感想

ピータ・スワンソンの作品は過去の作品も面白く、安定の面白さがあった。 読者に提示されるヘンの視点はモヤがかかったような表現で続きが気になる展開だった。 オチに関しては割と早めに読めて裏切りはなかったかなといった印象

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