2021-09-06
あらすじ
工場を経営する主人公のチャールズは資金繰りに苦しんでいた。 彼は裕福な叔父のアンドルーに借金を頼むが、断られてしまう。 絶体絶命の状況でチャールズは、叔父を毒殺し、自らにアリバイを作る完璧な計画を閃く。 その計画を実際に実行したチャールズだが、 警察に見つかることなく、莫大な遺産を受け継ぐことはできるのか…
ストーリー構成
倒叙ミステリで、犯人視点で物語が進む。 初めにアンドルーの毒殺のシーンから始まり、 その後は、チャールズが金策に苦しんでいる様子から、 計画をひらめき、実行し、実行後の様子が淡々と進んでいく。 ストーリー展開は、シンプルで淡々と進むので読みやすい。
感想
世界三大倒叙ミステリと言われる作品。
犯人側の視点で物語が進むので、追い詰められて犯行に至るまでの心境や、 その後警察に追い詰められるまでの心境が楽しめるものになっている。
最後にどんでん返しではなく、資金繰りに追い詰められるが完璧な犯行を計画する、 完璧な犯行を行って浮かれているが、思わぬところから足を救われるなど、常にハラハラした展開が続く。
倒叙ミステリなので、最後には捕まるのはわかってるのだが、 もしかして逃げ切れるんじゃないかと錯覚してしまう。
小さな謎を散りばめるわけではなく、古典ミステリらしく、 1つの謎について物語が進むので、読み応えあった。