2021-08-06
あらすじ
梅沢平吉という人形師が残した小説から話が始まる。 平吉の小説には、占星術に基づき自身の娘達を殺害し、体の一部分を集めて1体の完璧な人形を作ろうとしていることが書かれていた。
小説を残した平吉だが、それを実行することなく殺害されてしまう。 その後、娘達は平吉の小説通りに殺害される。
見つかった小説と事件の関係から、世間の注目を集め、様々な推理がなされたが、 40年たった現在でも解決されいない。
とあることから、御手洗と石岡はこの事件を調査を行うこととなる。
ストーリー構成
探偵役である御手洗とそのサポート役である石岡が事件を調査する。
石岡視点でストーリーが進み、事件の詳細や関係した人物などが読者に明かされていく。
ストーリーは、時間が前後することなく、淡々と進んでいく。
石岡と御手洗はワトソンとホームズ役であるが、それぞれ別に調査を進める。 石岡視点で話が進むため、読者は彼が行った調査により事件の内容がわかる。 一方、御手洗がどんな調査を行ったかは最後まで提示されない。
終盤には、ここまで提示された情報で事件を解決することはできる、という 作者からの挑戦があり、自分で推理する楽しさもあった。
感想
上述の通り、ストーリー展開は、シンプルで時間が前後することなく、淡々と話が進むので、読みやすかった。
ストーリーの前提となる占星術に見立てた殺人方法は割と複雑。
御手洗の飄々とした感じも、所謂探偵って感じで良かった。
他の御手洗潔シリーズは、ほとんど読んだこと無いので読んでみようと思う。