2022-09-10

あらすじ

とあるマンションの13階で、フックに吊るされた裸の女性の死体が発見される。 そのそばにはひらがなだけで書かれた怪しいメモが残されていた。

埼玉県警に務める小手川は捜査を開始するが、 大きな進展はみられないまま、無残な状態の被害者が発見される。 被害者のもとには一人目の被害者と同様のメモが残されていた。

このメモに残された内容から、マスコミはこの事件の犯人をカエル男と名付けた。 1件目と2件目の被害者の間に関連が見つからないまま、さらに第三の殺人が起きる。

マスコミはこれまでの被害者の名字が五十音順になっていることに気付く。 次に狙われる可能性のあるのは、「え」で始まる名字の人であることや 猟奇的な連続殺人であることから市民は次第に恐怖に飲み込まれていく。

構成

基本的には主人公であり、刑事の小手川の目線で物語が進むシンプルな構成。

ところどころ、犯人らしき目線でのの回想シーンなどが入ったり、 被害者を発見するシーンでは第一発見者の目線になったりと、 程よく視点が切り替わる。

物語が淡々と進んで行くので読みやすかった。

登場人物に対して、あまり感情移入はできなかったかな、という印象。

感想

「サイコ・サスペンス」、「どんでん返し」、第8回「このミステリーがすごい!」大賞などがキーワード。 シンプルだったけど面白かった。 殺人犯などが心神喪失で無罪になってしまう可能性のある刑法三十九条がテーマなのもわかりやすくて良かった。

登場人物が少なかったので犯人は分かりやすかったのと、トリックや謎解き要素はそんなに強くなかった印象。 猟奇的な演出や、犯人の裏の顔のようなところが見どころなのかな、と。

続編もあるようなので、呼んでみようと思う。

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