2022-08-20
あらすじ
マーティン・ヘイワードはイギリスの田舎でアマチュア劇団である〈フェアウェイ劇団〉を運営している。 ある日、マーティン・ヘイワードの孫娘が難病を患ったことが発覚する。治療には大金が必要であった。 ヘイワード一家は地域の有力者であり、フェアウェイ劇団のメンバーは治療費のために募金活動を初めた。 地域のコミュニティに新たに加わったサム・グリーンウッドとその夫は、活動に不信感を抱くのだが…
構成
弁護士であるタナーがマーティン・ヘイワードの周辺で起きた事件を担当している。 タナーの弁護士事務所の実習生である、フェミとシャーロットが事件当時の証拠であるメールのやり取りなどを見て、 事件を再検討するという構成。
読者には、事件関係者のメールやりとりのみが明かされ、マーティンの周辺で起きた事件や物語を把握することになる。 すべての記録が明かされるわけではなく、いくつかのメールややり取りが欠損していることで、読者は事件の内容を推理することとなる。
感想
直近でだいぶ面白かった作品。 誰が犯人で誰が殺されるのか後半まで明かされずそこを推理するスタイルも斬新で楽しめた。 メールのやり取りのみで進む物語が斬新で、一部明かされないやり取りもあり推理ができて面白かった。 それ以外にも謎が散りばめられており、弁護士事務所の実習生のフェミとシャーロットと共に事件の調査を進めているようで、没入感があった。
読み始めはメールのやり取りのスタイルに慣れなかったり、登場人物は多かったり、と読みづらい感じではあるが、各人ともしっかりとキャラクターがあり、次第に引き込まれ一気に読み進めることができた。